ご覧頂き、ありがとうございます。ゆっしです!
今回は「がん性疼痛にどうアプローチ出来るのか?」
というテーマで記事を書いてみました!
みなさんはどういうイメージを持っていますか?
- コントロールが難しい
- 何をしても意味がないのかな?
- そもそもPTに出来ることはなに?
最初はこんなイメージではないでしょうか?
僕も同じようなイメージを持って悩みました・・・。
悩む中で考えた事は、
痛みが減るってなんだろう?リハビリと関連があるところはないのかな?という2点でした!
今回はこの2点を説明させて頂き、実際に現場でどう生かしているのかを紹介しようと思います!
痛みが減るってなんだろう?
そもそも、痛みが減るとは体の中でどういうメカニズムなのか簡単に説明しますね。
まず痛みを感じるのは「脳」です。
痛みの発生した箇所からのインパルス(信号)は、脊髄を介して脳の中の視床と呼ばれる部位に伝わり、
視床を介して大脳の様々な部位へ投射されます。
この流れで、痛みの強度や場所さらには痛みを認知するということになります。
これが、「上行性の神経生理学的機構」と呼ばれるものです。
次に脳による痛みを抑制する流れについて説明します。
痛みのインパルスを受け取った脳は、脳幹にあるPAG(中脳水道周囲灰白質、以下PAG)を賦活させることで脊髄後角で痛みの抑制が起こります。
これが、「下行性の疼痛抑制機構」です。
PAGの賦活=下行性疼痛抑制が促されるというイメージですね!
がん性疼痛を抑制する流れについて
次に、がん性疼痛を抑制する流れについて説明します。
がん性疼痛の対して使用される頻度が多いの薬が、オピオイドです。
僕の担当するがん末期の方はほとんど使用されています。
オピオイドには受容体が三種類あります。
- μ:ミュー
- δ:デルタ
- κ:カッパ
です!
この中でμ受容体は鎮痛作用に最も関与するとされています。
μ受容体の活性化によって、脊髄での疼痛伝導を遮断して鎮痛効果が発現します。
この流れが、がん性疼痛に対してオピオイドを使用して疼痛を軽減させるものです。
では、リハビリになにが出来るか見ていきましょう!
リハビリテーションに出来ること
ここまで体の中の痛みの捉え方を書いてきました。
では、リハビリテーションでは何が出来るのでしょうか?
結論は、
運動療法はがん性疼痛にも効果があるのではないか
です。
痛みを感じることも、痛みを減らすことも脳がコントロールしていますよね。
運動を行った後、爽快感を感じたことがある人は多いと思います。
運動を行って爽快感を得るというのも、脳が関与しています。
運動を行うと、β-エンドルフィンと呼ばれる内因性麻薬物質が脳で生産されます。
β-エンドルフィンとは種々な身体的、精神的ストレスに関係すると言われています。
脳内で生産され、神経細胞に働き一部が血中に放出されることで運動後の爽快感を感じます。
ここで
適切な運動を行えば、がん性疼痛にも同じ効果が出るのでは?
と考えました。
実際に訪問先で、運動を実施した際に疼痛の訴えが減った方もいらっしゃいました。
中には、
動かして痛みが強くならないか?そもそも運動していいの?
という意見が多くありました。
運動しないことは、がん性疼痛以外の骨格筋の問題が出ることから
やはり運動は必要とお伝えしています。
ここが一番誤解されやすいところでした!
リハビリは歩いたり、強い負荷で運動をするパワーリハビリのイメージが強いようでした。
運動を適切にコントロール出来るという点も、しっかり伝えていかないとと感じます!
最後に・・・
いかがだったでしょうか?
痛みのことをよく知っていらっしゃる方には物足りなかったかもしれません。
しかし、がん性疼痛となるとアプローチ方法に困ることがよくあります。
自分達の行っている事を生理学的に考え直していくことは
リハビリを行う上でとても重要です。
根拠があるからこそ、リハビリを実施できるわけですしね!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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